Harmony入会のきっかけ編(家族との別れ27)


前回からの続き

海に入って泳いだりはしないが、水遊びだけでも充分楽しめた。日本に子供が居た頃は、海もそう遠くもない所にあったが、子供はまだ小さく一度も行けなかった。ちょうど前の年に車を手に入れて、「今年の夏こそ」こんなことも考えていた、が、あの地震ですべてが変わってしまった。

この子達にはもうこの海が地元の海だ、海の波に合わせてジャンプ、砂をかき分けて水路を作る、私の思いは「このまま時間が止まって欲しい」。

子供が疲れるくらい遊んで、まだ日が高かったが、もう引き上げる事にした、妻が言うには、「下の子はもう海から出られなくなってしまう」と言う、いつも海に来るとなかなか帰りたがらないようだ。

まだ日が高いので途中の公園で一休み、綺麗な花の咲いた公園だ。上の子はママの膝枕で一休み、しかし下の子はまだまだ元気いっぱいである。持っていたおもちゃで私と遊ぶ、何やらいろいろと喋っているが、私にはロシア語がわからない、しかしまだまだ小さな子供なので、身振り手振りでおよそ何を意味しているのか、おおかた察しはつく「親子だからわかるのかな、もしそうなら少しだけ嬉しい」と言う思いもありながら、「もし私にロシア語が分かったら、もっともっと楽しい思い出になるのかな」というもどかしさも感じる。

海で買ったジュースはもう飲み干し、そろそろまたのども乾いてきたので、近所のストアで飲み物を買って帰宅する、今日はまだ時差ボケが有るせいか何だか疲れた。少し緊張感も薄らいだ気がしたが、ふと我に返ると「もうこれがおそらく子供とは最後、あとは大人になってまた会えるかもしれない」この事を思い出しまた憂鬱な気分になる。

今日も家でまたできるだけ子供と遊ぼう。

次回へ続く。

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