Harmony入会のきっかけ編(家族との別れ15)


次の日。

家に戻ってから、テーブルに着き二人で話をした。
「子供を連れて日本に帰ってきて欲しい、」自分の母の事や、家族の為に買った家の事、自分で一生懸命頑張って日曜大工で二階のトイレに洗面台を取り付けた事(妻がとても喜んでいたから)、思いつくままに私は妻に話をした。

彼女は今までの不満をいろいろ話したが、私にしてみればどれも、子供を奪われるような事とは思えなかった。

私は浮気をした事など一度も無く、休みの日はいつも家族と一緒に、何処かに出かける、こんな生活をしていたのだから。

そして妻にしても、「これが有ったから…….。」こんな決定的な理由は無かったのだろう、ただ「日本人は冷たかった」他には、細かい生活での不満などを彼女は話し、私はただそれを聴き続けた。

その日は「帰る」とも「帰らない」とも妻は言わない。
「あまり長くなっても逆効果かな」こんな事も頭を過り、この日はここまでにした。

明日答えを聞くことにして、また子供たちと遊ぶ事にした。

しかし、心の中は不安感で一杯である、
「このまま家族と別れる事になったらどうなってしまうのだろう」
「母親は年老いてからやっと出会えた孫ともう二度と会えないのだろうか」
「この可愛い子供達とも短い時間だけ過ごしてもう終わってしまうのだろうか。」
「すべてが思い出になってしまうのか、」

夜も眠れずに、色々な事が頭を過る、
「もう少し、思い出話も交えたりして説得をしても良かったのかな、楽しかった事もたくさん有ったのだから」あまりにも取り返そうとしすぎてしまったのかな。

そして、緊張の朝を迎えた。

次回へ続く。

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