Harmony入会のきっかけ編(家族との別れ8)


前回からの続き

バスを降り、まだ荷物を受け取る前に空港の門の所に目をやると、妻が迎えに来ていました。
私は妻に近づき、妻も直ぐに私に気付いたようで、妻は、最初は少し笑顔を見せましたが、直ぐにやめました。
おそらく私が全く笑顔では無かったからでしょう、私は全く笑顔を作る余裕が無かったのです。
妻には一年ぶりに会えたのですが、私は笑顔を作れませんでした、最初の私の言葉は、「まだ、荷物を受け取ってないんだ」すると妻は、「じゃあ、あそこに行って」と荷物を受け取る場所を指さしました。
これが一年ぶりに会った妻との最初の会話です。

いま思えば初めて彼女に会ったのは成田空港、私が空港で彼女を待っていると、彼女が到着出口から出てきました。
彼女は私に気づくと笑顔で私に手を振り、私も彼女に笑顔で手を振り返しました。

あの時は本当に幸せでした、Skypeもまだ無い時で、メールのやり取りと、たまに電話、そして送られてきた彼女の写真、と私のネット上の写真、これだけでお互いほぼ結婚を決めていたのです。
毎日家に帰ると、青い目で金髪の白人女性が私を待っていてくれる、 本当に本当に、夢のような新婚生活でした。 彼女が喜んだのは、家からディズニーランドが比較的近く、自転車で行ける事でした。
当時マンションに住んでいたため車はありませんでした、以前2年位は駐車場を借りて車を持っていた事もありましたが。
あまり乗らなくなった為、手放しました。
駐車場代も都内は高いですから、地下鉄の駅まで歩いて数分なので車は無くても問題はありません、その代わり家の周辺に行くには自転車が便利でした、ロシアでは自転車はスポーツか子供のおもちゃ、日本人のように(便利な道具)といった感覚はありません、これは道路事情や歩道の舗装具合が日本とは違う事などの要因があります。

日本では買い物も重い荷物を持つより自転車に乗せた方が便利、子供も自転車に乗せた方が便利です、私が彼女に自転車を勧めました。
彼女は、私が会社に行っている時、毎日お気に入りの商店街まで自転車で行っていたようです。
近くに大手スーパーがあるのにです、そこの商店街はちょっとした有名商店街ですから、人を引き寄せる魅力が有るのでしょう。

そして家の周辺は都内のわりには自然も多く、「ここに住む事が出来てよかった」と彼女は言います。
特に自転車でディズニーランドまで行ける事をロシアの親に電話で話していました、よほど嬉しかったのでしょう、彼女はディズニーランドが大好きですから。

そして、家の近くに大きな川があり、そのほとりは広い土手で自然が豊かで綺麗な花が植えてあります、そこを彼女が妊娠中はよく一緒に散歩をしたものです。

あの時の初めての出会いとは全く逆の今、国も逆、シチュエーションも逆、すべてが逆。

この言わば二回目の出会いは、どんなことが起き、どうなって行くのだろう

次回へ続く。

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